みたもの感想文。

好きなときに好きなことを好きなように書きます。

2月のみたもの備忘録②。

 

 備忘録②は、2月に行った展覧会についてです。

 

〇『ハマスホイとデンマーク絵画』展。東京都美術館

 すごく面白かったです。全体を通して思ったのはとても写真的だと言うこと。光の入り方を見ながら、写真だったら露出はこんな感じかな、とかなんとなく思いながら見ていました。光りのさし方が一方向から来るのではなくて、全体に拡散されている感じなのも、撮影の照明をトレーシングペーパーで覆った時の光みたいでした。あと、ピントの合わせ方。ピントを合わせてるみたいに描いているのがすごく面白かった。F値を変化させるみたいに被写体にピントを合わせて後ろをぼかしたり、全体に合わせてみたり、かと思ったらソフトフォーカスのフィルター使ってるみたいなのがあったり。なんでこんな表現になったのか見れば見るほど本当に不思議でした。
 それと、なんだか初めて画家が描いている姿が見えた気がしました。多分、これは蓄積で、今まで見て来て、今ようやくこんな風に書いているんじゃないか、というのがイメージできるようになった。そういうタイミングだったのかなと思います。急に見えたからびっくりしました。そして嬉しかった。いっつもどうやって描いてるのかさっぱりわからなかった(苦笑)だから、これからまた絵をたくさん見ていくの楽しみが増えました☆ 第一章から第三章まで、なんとなく人の心が変化していく流れが見られたのも面白かったです。第四章でハマスホイの作品をたくさん見られたわけですが、よく言われている室内画の静謐さ、というようなことが私にはいまいちピンと来なくて。この人は何が書きたかったのかしら、と思いながら見ていました。見ている内に思ったのは、時間の重さ。蓄積する(した)時間の重さが描かれているのかなと思いました。物というのは自分で動くことは出来なくて、そこに在る。そのずっと在る目の前を時間というのは流れていて、人も時間とともに流れていく。変わらずあるものにはそれを全部見ていて、その変化が蓄積していくことで重さが生まれるのかなと。上手く言えないけれども、歴史と似ているのかもと思いました。
 図録も欲しかったけど、この後、名古屋に行かなければならなかったので我慢しました(苦笑)楽しい展覧会でした☆

 


〇『美人のすべて』展。福田美術館。

 先月、山種美術館で『上村松園美人画の世界』展を見て以来、上村松園が大好きになってしまったので、松園の『雪女』が初公開されると言うことで急遽、名古屋行きの日程の中に組み込んで京都・嵐山まで行ってきました。
 もう、なんでこんなにたくさん松園があるの!?ってびっくりしましたよ。初っ端から行けども行けども松園が出てくる。どれもこれも美しくて、浮足立ってしまいました。松園の『雪女』がまた本当に不思議で。すごく色んなものが見えてくる。情景が描かれているわけではないのに情景や外気の温度、雪の降る音まで感じられたり、浮かび上がってくる雪女の想いも様々なものを想像させてくれる。人外の姿なのにとても人間的でやわらかさを感じたりもしました。また見られる機会があると良いなと思います。そして見に行けて本当に良かった。やはり松園の描く女性はどれも本当に素敵。
 もう一つ、山川秀峰の『振袖物語』も好きでした。美少年とその美少年に恋する女性たちをそれぞれ二つに分けて書かれていたのだけど、この美少年の悪そうな感じというか魔性感がスゴイ。天野喜孝さんの絵を思い出しました。
 こちらもとても楽しかったです。美術館としてもとても見易い美術館だったので、また是非足を運びたいと思います☆