みたもの感想文。

好きなときに好きなことを好きなように書きます。

ミュージカル『小公女セーラ』。

昨日、ミュージカル「小公女セーラ」teamエトワル(11/22 19時回) を観て来ました。

  • 観劇前に入っていた予定が押してしまい、開演ギリギリに到着。すでに前説?が始まっていました。久し振りに走った(苦笑)

  • 平塚日菜ちゃん目当てでチケットを買ったのですが、大林素子さんがミンチン先生だとわかり、大林さんのお芝居が観られるのも楽しみにしていました。
    大林さんは以前、かなり前に蜷川幸雄さんの演出で野村萬斎さんが主演をした『ファウストの悲劇』を観に行ったときに初めてお芝居をされているのを見ました。蜷川さんが他の誰も持っていない大林さんだからこその魅力を引き出して、大林さんがそれを存分に演じられていたのがずっと今も心に残っているんですよ。大林さんのミンチン先生は存在感抜群で、出てきた瞬間からのラスボス感?に気圧されました。圧倒的な舞台映えが素晴らしかったです。
    せっかくの大林さんとの共演なので、蜷川幸雄さんのお話を日菜ちゃんが聴かせてもらえていたらいいなと思います。

  • ラヴィニアを演じていた石野さやかさんも面白いなと思いました。
    私は子供の頃に『小公女セーラ』をアニメで見て、本も読んだのですが、セーラはもちろん好きでしたが、ラヴィニアも結構好きでした。最初に見たのがアニメだったので、ラヴィニアのキャラクターのイメージって、私の中ではアニメのラヴィニアだったんですね。それが良い意味で覆されたと言うか。覆されたではないな。新たにパターンとして加わったという感じ。表現が難しいのだけど、石野さんのラヴィニアを見てたら、なんとなく、セーラームーンのセーラーマーズを思い出したんですよね。だから、私がずっと抱いていたラヴィニアとはちょっと違くて、でもそれを面白いなと思えたのは、石野さんのラヴィニアがちゃんとそこにいたからなのかもしれないと思っています。

  • マリエット役の野島優奈さんも素敵でした。パンフレットに初舞台と書いてあったので驚きましたが、すごくしっかり基礎のある方なんですね。「私はお嬢様にたくさんの愛を貰った」みたいな感じの一連の台詞の場面。セーラとのお別れの場面だったかな。そこがとても好きでした。私は芸能を見ることが好きで、演者が舞台から(舞台だけでなくてもお仕事の場から)客席に愛を向けてくれたと感じられた瞬間にとても感動するので、マリエットの言葉が自分の中にもあるものの様な気がしました。
    そう言えば、私は今回見られなかったのですが、teamレーブのマリエットはCollege Cosmosの深沢京花さんが演じてらっしゃったようで。College Cosmosはハロコンで何度か観ているので見てみたかったです。

  • ベッキー役のなかねかなさんはもうなんか、ソロで歌う場面でびっくりしました。なんというか歌が上手すぎて目が醒めると言うか(苦笑)えぇぇぇ!?ってなりました。こんな大事な場面でこんな隠し玉(?)出されたらびっくりしすぎて歌詞入って来ないじゃないの!でも伝わる!と思いながら観て、聴いていました(笑)

  • 他の出演者の方々も其々とても素敵でした。生徒役の子たちは歌もダンスも生き生きしていて、楽しい気持ちにさせてくれました。

  • 去年観たときと全然印象が違うのは役者さんが違うからかなと最初は思っていたのですが、色々と考えていくうちに、自分の状況と経験が去年と違うからだということに気付きました。台詞の感じ方が全然違ったんですよね。前述したマリエットの台詞とか、セーラの「私も貴女も同じ女の子なのよ」という台詞とか。特にセーラの台詞は、同じような意味の言葉に何度も触れる機会が最近あったのでドキリとしました。自分が過ごしてきた時間とシンクロすることが多かったんでしょうね。そりゃ去年と印象が違うはずだわと腑に落ちました。なんだか改めてエンタテインメントを見る楽しみを知ったような気持ちです。

 
さて、ここからは平塚日菜ちゃんの感想です。

  • まず冒頭、登場人物たちが一堂に揃ったところにセーラとして出てきた日菜ちゃんを見て、もう本当にものすごくドキドキしました。すごく可愛くて素敵で、そしてノーブルだった。ああ、こんな風に立てるのか、すごいな、と見入ってしまいました。日菜ちゃんのセーラには独特の品があった様に思います。

  • 9月に出演した舞台の時と比べて、かなりお芝居が上手になっていたのが嬉しかったです。ツイッターで稽古の様子をたまに教えてくれていたので、頑張っているのはわかっていたけれど、客席から見える形ではっきりとわかる様に変化が見られるのは本当に嬉しいです。ツイッターで言っていた「思い通りに出来ない葛藤」は克服できたのかしら。どんな葛藤があって、そこを乗り越えるためにどんな風に頑張ったのか、乗り越えることは出来たのか。後日談で聞いてみたいです。

  • お嬢様から下働きになったときの変化もとても良かったです。セーラが床掃除をしているところを生徒たちが通る場面で、アーメンガードに気遣われた(「大変そうね」みたいな感じだったかな)セーラが「あなたには楽しそうに見えるのかしら!?」(ちょっとセリフ違うかも)と強く言ってしまうところが面白かった。すごく複雑な感じ。アニメでも印象的な場面で覚えているのだけど、『プリンセスで在れ』という大事にしていた心持ちにひびが入る瞬間だと思うんですね。この時のセーラの心のバランスってどうだったんだろうなと思いました。日菜ちゃんの声音のバランスはその複雑さを感じられてとても面白かったです。

  • お嬢様と下働きの境遇の差を演じる日菜ちゃんを見ていて、『ガラスの仮面』で亜弓さんがやっていた「王子と乞食」を思い出しました。あれ?日菜ちゃん、亜弓さんみたいに一人二役で「王子と乞食」が出来るんじゃない?と思ってみたりしました(笑)

  • そして歌。歌がとても上手になっていました。びっくりしました。表現力が上がったと言うか。ミュージカルの台詞を歌に乗せると言うのが、伝える意識に繋がったのかしら。すごく奥行きのある深みのある歌でした。発声もとても綺麗で体の中心にスッとセーラの言葉が沁み込んでくる感じ。普段の歌にも(ダンスにも)きっと良い影響が出るんだろうなと思います。技術も大事だけど、表現力(心)は本当に大事。これからがとても楽しみになります。

  • 千秋楽にはきっとセーラの心がしっかり体にもなじんで、もっともっと素敵になるんだろうなと思いながら観ていました。

  • なんかね、観終わって帰りながら、日菜ちゃんに東宝ミュージカルとか出て欲しいなと思ったんですよ。レミゼでコゼットやってる日菜ちゃんとか本当に観たい。オーディション受けて!という気持ちです。ドラマにも出て欲しいなー、とか。日菜ちゃんの演技のお仕事をこれからもたくさん観たいなと思っています。

 

ミュージカル『小公女セーラ』、とても面白い舞台でした。観られて本当に良かったです。楽しかった!☆